恋愛エキスパート有也のブログ。

メインHPは『恋愛エキスパート有也の恋愛マニュアル』です。
『LOVE at Night』の感想はメインHPにある専用掲示板にお願いします。
ここでの相談は受け付けてません。詳細はHPへ。
ツイッターやってます。@lovemanual
雑記を見て一言。
出しとくか。
:解説:
ちょっと前に書いたものを載せる。
なんか、童話みたいなものを書きたくなったのだ。

たわごとに載せるべきかは考え中。




週末、カズミチは渓流釣りに訪れた。
今日は見事なイワナを2匹も釣り上げて上機嫌だった。

何の気なしに上流の方を見てみると、
河原で何かを洗っているカッパを見つけた。

本当にカッパかどうか確かめるために近付いてみると、なんだかおかしい。
よく見たらカッパは服を着ているようだ。

「緑色の服を着てる…。身体の色かと思ったのに違うじゃん。」

そんな納得いかない表情を浮かべていると、カッパがこっちに気付いた。
カッパはカズミチに会釈をした。

『あ、どうも…こんにちは。』
「あ…こんにちは。」
『あの…私に何か?』
「いや、アンタさ…カッパだよね?」
『えぇ…。』
「カッパなのに、なんで服着てんの?」
『いや、カッパが服を着ちゃおかしいですか?』
「え…いや、基本的に裸なのかと。」
『カッパ差別ですか。』
「…カッパ差別ってなんてあるの?」
『ありますよ。突然、子供に石を投げられた事もあります。』
「それは…わからんでもないな。」
『人間はみんな野蛮な生き物なんですか?』
「いや、そんな事も無いけど…、やっぱカッパが出たら驚くよ。」
『私も人間が出たら驚きますよ。でも、石を投げるのは違うでしょう。』
「えぇ、石を投げるのはちょっと…。」

『カッパだって人間は怖いんですよ。』
「え、でもなんか今、すごく自然だったじゃん。驚いてなかったじゃん。」
『なんか、フツーに登場されたので…。』
「俺もフツーに登場されたから、こうやってフツーに話してるけどさ、本来なら驚くべきだよね。」
『種族の差っていうんですかねぇ。』
「宇宙人を見てるカンジ?ちょっと違うかな。」
『宇宙人…ですか。ハハ…。』
「あれ?そういえばフツーに日本語をしゃべってるね。」
『えぇ、だってここは日本じゃないですか。』
「それに、カッパって沼に住んでるんじゃないの?」
『基本的に魚が獲れる場所の近辺ですよ。』
「へぇ〜、そうなんだ。」
『だって、息が続きませんもん。』
「あ、そうなの?」
『えぇ。カッパも呼吸が必要ですからね。』
「あ、そうなんだ?」
『えぇ。まさか、ずっと沈んでると思いました?』
「いや…そこまで考えた事が無かったわ。」
『そうでしょうね。最近は一族も減ってますから。人間と会う事も減りましたし。』
「あ、そうなんですか…やはり、環境破壊のせいで?」
『いや、キノコの食中毒です。』
「それは…お気の毒に…。」
『えぇ…ホントに気の毒で…。』
「あれ?そういえば、カッパって人を水の中に引きずり込むんじゃ…。」
『やめてくださいよ。そんなの人間が作った迷信じゃないですか。』
「え?そうなの?」
『そうですよ。子供が沼で溺れ死んだりするたびに、私らのせいにしたんですよ。』
「あぁ、そうなんだ。」
『足を引っ張られたんじゃなくて、ぬかるみにハマったんですよ。』
「それは…なんかスイマセン。」
『そのせいで我々は迫害されてきたんですから。』
「なんか…ホントに申し訳ない。」
『いいんですよ。』

「あ、そういえばカッパって皿が乾くと死ぬっていいますよね?」
『あぁ、それも迷信ですよ。』
「ホント?」
『人間だって目が乾いても死なないでしょ?』
「まぁ、シパシパするけどね。死にはしないね、ドライアイで。」
『それと同じようなもんですよ。』
「そうなんだ。へぇ〜。」
『ずっと水を飲まなければ、脱水症状は起こりますが、それは人間も同じでしょう。』
「あぁ、同じなんですね。」
『半水棲生物ですからね、水は飲みますよ。』

「キュウリが好きってのは?」
『体が緑色だからキュウリが好きだと思われてるんですよ。いい迷惑です。』
「あぁ、それもデマなんだ。」
『なんか、昔から言われてるのはウソばっかりですよ。浅はかな昔の人が作った話ばかりです。』
「お酒が好きなのもウソ?」
『酒なんか、口にする機会もありませんよ。』
「黄桜のCMだけか。」

『あ、それと文句を言いたい事があるんです。』
「人間に…ですか?」
『えぇ。屁のカッパってなんですか?カッパをバカにしないでもらいたい。』
「あ、スイマセン。」
『まったくもう。』
「なんか人間が色々とご迷惑おかけして…。」
『わかっていただければいいんですよ。』

「今はこちらで何を?」
『あぁ、洗濯です。』
「洗濯?あ、それは川でするんですね。」
『いや、下の子がおもらしをしましてね。』
「あ、お子さんがいらっしゃるんですか。」
『えぇ、2人いるんです。』
「えっと、卵でお産みになるんで?」
『うーん、その辺がちょっと違うんですよね。』
「というと?」
『鯉の滝登りって言うでしょう。』
「ええ。」
『登り切ったら龍になれるんですよ。』
「はぁ。」
『登れなかったらカッパになります。』
「そうなんですか?」
『まぁ、その登竜門と呼ばれる滝に辿り着く鯉も少ないんですがね。』
「はぁ〜、すごい話ですな。」
『とにかく、そこまで行けば、カッパか龍にはなれるというわけです。』

「龍もいるんですか。」
『えぇ、いますとも。』
「見た事がありませんね。」
『龍になると様々な能力が使えるので、人間に化けている龍もいます。』
「そうなんですか。」
『中には、人間界のリーダーになった人物もいるんですよ。』
「ほぉ〜。大したものだ。」
『龍も色んな姿で描かれるでしょう。』
「そういえば、そうですね。」
『空を飛ぶ長い竜、地を這う大型の龍。』
「そうですね。」
『あれも龍が姿を変えたものなんです。』

「カッパはなんか能力が使えたりするんですか?」
『いえ…特に何も。』
「そうなんだぁ。残念だなぁ。」
『そんなに過剰に期待されても困ります。人間だって何も特別な事は出来ないじゃないですか。』
「はぁ…すいません。」
『じゃあ、そろそろ帰りますね。』
「あの、名前とかってあるんですかね?」
『えぇ、私はラッタといいます。それでは。』
「ラッタさんね、お気を付けて。」

しばらくして、カズミチは気付いた。
「カッパのラッタさん…。かっぱ…らった?」

クーラーボックスの中を見ると、さっき釣り上げたイワナが無くなっていた。

「やられた。最初からイワナが目当てだったのか。」

多分、自分の方に注意を引き付けておいて、話に夢中になっている隙に仲間に盗ませたんだろう。


人からイワナをかっぱらったカッパの話。
めでたしめでたし。
| 有也 | 脳内Word | 23:23 | comments(10) |
名古屋味巡り
すっごく参考になりました!
ありがとうございます★

カッパ…。
なんかカッパもすごいですね。
あたしの場合ほんとにいたとしても
気軽に話しかけるなんて
無理ですが。笑
| るり | 2009/04/10 9:00 PM |
えっ!めでたしなのっ!??
かっぱのラッタさん・・・ずる賢いねっw
かっぱらったさん☆笑
あれ?ぢゃあ、滝登り出来なかったのがかっぱになるってゆうのも嘘??
これ絶対騙されちゃうね。
| Ж●bear●Ж | 2009/04/10 11:07 PM |
>るり
名古屋味巡りはまだ改良の余地があるかもしれん。
もっと美味しい店は他にもあるのだ。
母親の出身地である東北の味付けに慣れてる俺は名古屋の味付けが合うんだろうな。
もしもカッパが目の前に現れたらどんな風になるか想像しつつ書いた。
夢で色んな空想上の生き物に会ったりするが、俺はこんな風に会話してるんだよね。
知りたかった事を一気に聞くカンジだろうか。

>Ж●bear●Ж
カッパについては諸説あってね。
その中に滝登りに失敗した鯉がカッパになるという説もあるんだ。
今回はその辺を調べながら話を作った。
「めでたしめでたし」は言いたいだけ。笑
| 有也 | 2009/04/11 1:36 PM |
かっぱラッタの話まぢ面白いです★☆
でもかっぱらったってゆぅと
谷川俊太郎さんの
かっぱかっぱらった
かっぱらっぱかっぱらった
とってちってた

かっぱなっぱかった
かっぱなっぱいっぱかった
かってきってくった
って詩を思い出しちゃいます(藁)
| 紅沙 | 2009/04/11 11:00 PM |
>紅沙
谷川俊太郎先生のかっぱかっぱらった知ってるのか。
ウチにはあの本が2冊ある。
小さい頃から、あの本を読んでたんだ。
『ことばあそびうた』と『ことばあそびうたまた』っていう本。
今回の話は一部であれに影響されてるよね。
| 有也 | 2009/04/12 3:34 AM |
あたしも「ことばあそびうた」読みましたぁw
小学校の低学年の教科書に載ってて
本も見つけて読みましたぁw
友達ゎかっぱらった全然覚えてませんでしたネ(藁)
でも「ことばあそびうた・また」
があるのゎ知りませんでした
今度探してみます♪
| 紅沙 | 2009/04/12 3:58 PM |
>紅沙
ことばあそびうたは俺の教科書にも一遍だけ載ってた。
教科書は光村だったかなぁ。いるかいないかいないかいるか。
昔から、日本人は言葉遊びが好きなんだと思う。
短歌や俳句や川柳で掛け言葉なんてのがあるけど、
ことばあそびうたはそういう流れを汲んでいると思うんだ。
| 有也 | 2009/04/13 4:28 AM |
>紅沙
ことばあそびうたは俺の教科書にも一遍だけ載ってた。
教科書は光村だったかなぁ。いるかいないかいないかいるか。
昔から、日本人は言葉遊びが好きなんだと思う。
短歌や俳句や川柳で掛け言葉なんてのがあるけど、
ことばあそびうたはそういう流れを汲んでいると思うんだ。
| 有也 | 2009/04/13 4:28 AM |
光村も知ってますw
いるかゎ二番目に好きでした
でもやっぱり一番気に入ってるのゎかっぱです♪(藁)

なるほどぉw
有也さんの言うとおりそぉーかもしれませんネ★
| 紅沙 | 2009/04/13 9:51 PM |
>紅沙
俺は光村で良かった。
まぁ他のでも同じ事を言ってるかもしれないけど。
| 有也 | 2009/04/14 9:43 PM |







     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2024 >>
+ リンク集
+ 著書
LOVE at Night ~ホストに恋した女子高生~
LOVE at Night ~ホストに恋した女子高生~ (JUGEMレビュー »)
有也
 
高校1年生の頃、早く処女を捨てたかった。
周りの子はみんなどんどん『済ませて』行ってた。

「え〜まだしてないの?」
そう言われるのが嫌だった。
私一人がおいてきぼりにされてるような気がしてた。

「早く処女を捨てなきゃ」
そんな焦りを感じてた。

(第一話『おいてきぼり』)
+ 著書
LOVE at Night 2 ~17歳のファーストラブ~
LOVE at Night 2 ~17歳のファーストラブ~ (JUGEMレビュー »)
有也
 
お金もない。
帰る家もない。

私はこれからどうやって生きていけばいいんだろう。
誰かお願いだから私を助けてよ。

とりあえず、新宿まで来たけど寝るトコもない。
警察に行っても家に帰らされるだけだ。
あんな家になんか帰りたくない。

どうしよう。
これからどうしよう。

1人でどうやって生きて行こう。

(第一話『絶望の街角』)
+ 著書
おまえは俺に恋をする
おまえは俺に恋をする (JUGEMレビュー »)
有也
 
俺は【モテ】って言葉が嫌いだ。
本気で惚れた女だけを
確実に落とせるヤツが
一番カッコイイじゃねぇか。

(―はじめに―より)
+ 著書
LOVE at Night 3 ~16:35の鼓動
LOVE at Night 3 ~16:35の鼓動 (JUGEMレビュー »)
有也
 
人生はクソだった。
 
幸せはいつだって掴んだと思っても消えていく、
雪みたいなものだって思って生きてきた。
 
 
誰かと深く関わるのは嫌だった。
誰にも情をかける必要なんて無い。
 
いつか辛い別れが来るだけだから。
 
 
 
不幸の遺伝子で作られた俺は、
大事な人を側に置いちゃいけねぇんだ。
 
 
(冒頭より抜粋)