2011.07.19 Tuesday
川下りで一言。
ケツがぁ〜!
:解説:
赤井と多摩川をゴムボートで下る旅。
「ラフティングしたくないですか?」
「あんなもんに1万円近くも払うなんてくだらん。自分でゴムボート買って下った方がいい。」
そんな他愛もない会話を実行に移してしまった。
今回のスタート地点はここである。
地図で言うと、ココ。
大きな地図で見る
ここに下ってくるところは近くに美術館があって、その有料駐車場になっているところだった。
有料駐車場の入り口には入らず、川の方に行く途中で荷物を下ろしていたら、
駐車場の管理をしているジジイがいきなりトップギアで絡んできた。
「ここは荷物の積み下ろしはダメですよ!完全に個人ですから!」
どうやら、私有地ってことを言いたいらしい。
ここでダブルアクションポンプで空気を入れて、車で持ち帰ってもらおうと思ったのだが、
さすがにそれは諦めて備え付けのポンプだけでなんとかすることにした。
手間取っていると、またジジイがうるさそうだ。
「んじゃ、これだけでいいや。」
最低限の荷物を持って、いざ川へ。
ドンキホーテで購入したゴムボート1980円。
後にわかるのだが、このボートを選んだのは正解だった。
さすが、アウトドア好きのアメリカ人が作っただけある。(訴訟大国アメリカINTEX社の製品)
ケータイなんかはジップロックを2重にして入れておく。
それでも水没したら、それはそれ。
備え付けの小さいポンプで空気を入れていると、かなり時間がかかった。
10分ぐらいはずっと空気入れをしていたと思う。
坂を下ってくる手前で空気を入れて、担ぎながら歩いて下りてきた方が良かったかもしれない。
そうすれば、ジジイに文句を言われてイラッとすることもなかった。(ジジイの血圧も上がらなかった)
「ダブルアクションポンプなら、引いても押しても空気が入るのに…。」
「あのジジイ、やたらと絡んできましたね。笑」
「来世会ったらブチ殺してやる。笑」
そんな会話をしていると、上流の方からカヌーで下ってくる人たちを発見した。
スイースイーと自在に動いている。
「あれは動きが速くていいナァ。」
俺らが眺めていると、軽く会釈をされた。
応じて会釈をすると、ゴムボートを指された。
「それで下るの?」
「はい。」
「どこまで行くの?」
「河辺(8駅先)ぐらいまで行こうと思います。」
「えぇっ?そんなに行くの!?」
驚かれてしまった。
駅の感覚は短いから、そこまで大変な旅にはならないと思うんだが。
そんなに危険なポイントが多いんだろうか。
「そこって岩がいっぱいあるんですか?」
見える範囲を指すと、岩のあるポイントを教えてくれた。
「そこは行けるんだけど、その次は流れの真ん中に岩があるから危ないね。」
「なるほど。」
「そこは歩いてパスした方がいいかもしれない。」
「わかりました。ありがとうございます。」
そんなこんなで、いざ出発。
赤井に指示しながら進むが、指示した通りに漕がないというアクシデント発生。
「漕げって!」
「いや、突っ込んだ方が面白いです。笑」
「面白くねぇ!死ぬぞ!早く漕げ!あっ、もう間に合わない!笑」
ザパーン
流れに呑まれたけど、そこはなんとかなった。
転覆しなかったのが割と奇跡なくらいに大揺れだった。
「一旦、そこの岸辺に付けるぞ…。」
そして、ちゃんとルート決めをしないと流れに呑まれて非常に危険だということを説明。
「ちゃんと漕げよ?」
「はい。笑」
「おい、前フリとかじゃねぇからな。笑」
そうこうしていると、カヌー部隊と再会。
「行かないの?」
「いや、こいつがふざけて漕がないもので。笑」
「あはは。でも、そこはパスした方がいいよ。危ないから。」
「わかりました。」
対岸に渡れば、歩けるポイントがあるとのことなので、そこまで漕ぐことにした。
「…ちゃんと漕げよ?」
「わかりました。」
「ホントかよ。笑」
そこはさすがに激流だったからか、ちゃんと指示通りに漕いで渡った。
だが、その後も赤井は何度も指示を無視したり、指示した方向と反対に漕いだりで、
何度もゴムボートは転覆し、荷物ごと川に放り出されてしまったのだった。
転覆回数は5回。
そのうち3回は赤井が原因だった。
しかし、振り返ってみると、その3回はいずれも大したことはなかった。
せいぜいボートが流され、自分も流されているうちに岩に足を1回打ちつけた程度。
ホントに危険だったのは3回目の転覆だった。
「このぐらいの流れならいけるか。」と下った先がものすごいスピードになっていて、
そのままの勢いで岩に思い切りぶつかって、岩の下に引き込まれる形で転覆。
流れの早さは過去最大級で、逆らうことが一切できなかった。
俺の頭が流されてくるゴムボートと岩にガガガっと挟まれて、
『こりゃマジで死んじゃうんじゃないかな』と思ったくらいだ。
その時にオールから手を放してしまい、オールはその激流の渦に巻き込まれてしまった。
俺たちは命からがらボートにしがみついて岸まで泳ぎ着いた。
「あー、オールがハマってしまった…。」
「…取り行きます?」
「俺、取ってくるわ。ボート見てて。」
「はい。」
仕方なく歩いて取りに行くものの、流れが早すぎて身の危険を感じた。
あんなに流れの早い渦に入ったら出て来れないかもしれない。
疲れて力尽きたら終わりだ。
ボートで行くか?
いや、流れが早すぎて制御できないし、オールが1本ではムリだ。
一度、岸に戻って作戦を練り直そうと思っていると、
オールが渦を逃れて本流に出てきていた。
「あっ!オールが!」
少し下流で待機していた赤井にオールが流されたことを伝えると、赤井にはオールが見えていないようだった。
「どこですか?」
「そこ、そこ!」
俺も急いで岸を歩いて戻って、すぐにボートに乗りこんだ。
次の激流ポイントに入るのが先か、それともオールを手にするのが先か。
ギリギリの攻防だった。
手で必死に掻いて進むと、流れの早いポイントに着く直前でなんとかオールをゲット。
オールの柄で岩を押し、なんとか激突を避けることに成功した。
「ちょっとそこに付けて休むか…。」
「そうしますか。」
岸に付けて一休み。
地図でいうとこの辺。
大きな地図で見る
ここは以前、原チャリで見に来た辺りだ。
川でサーフィンできるポイントがないかなーって思ってきた場所だわ。
2009年9月6日のブログに書いてある。
前もってセブンイレブンで買ってジップロックに入れておいたおにぎりを食べて休憩。
かなり消耗したような気がするが、恐ろしいことにまだ2駅分しか進んでいなかった。
(この時点ではそれに気付いていない)
休憩が終わって出発した時、ちょっと怖れていたポイントにさしかかった。
以前、GoogleMapで見たが、ここは確か『三段堤』というポイントがあるのだ。
堰き止められた堤が三段になっているとのことだった。
実際にどんな風に堰きとめられているかはよくわからないが。
「まぁ、なんとかなるか…。」
「はい。」
そんなこんなで無謀にも挑んでみる。
行ってみると、そこは右端を通れば何とかやり過ごせるようなカンジだった。
他はコンクリートで堰き止められていて白波立っていた。
左カーブだからと、事前に右に寄っておいて良かった。
また少し行くと、大学生くらいの子が4人いて、そのうちの1人がこっちに気付いて手を振ってきた。
「お〜〜〜〜い!」
5mくらいしか離れてないし、手を振るほど遠い距離じゃないんだけど。笑
そこは乗ってあげることにした。
「お〜〜〜〜い!」
すると、その彼が断崖を指さして言った。
「あ!あんなところに自殺志願者がいる!」
振り返ると、ホントに崖の上に人がいた。
え?飛びこむの?
大丈夫なの?
あ、ホントに飛んだ!
なかなかのチャレンジャーだった。
そんなに深いのかな、あそこ。
彼らに別れを告げ、俺らは川下りを続けることにした。
流れも緩やかで、なんだかちょっぴりディズニーランドの『カリブの海賊』に乗ってるような気分になってきた。
こんな流れで岩ゴツゴツのところもあるけどね。
流れが早い時に岩がケツにゴンと突き上げてくるのを食らうと、
ホントにオシリが割れるんじゃないかってほど痛い。
「ケツがぁー!」と何度叫んだかわからない。
次回やるならケツパッドなどの対策が必要だと思う。
スノボでシリモチをつくのも痛いけど、これもそれ以上に痛い。
アイスバーンどころか、完全に岩だし。
こういう流れの緩やかなところだと風流でいいんだけどね。
それはそれで刺激も薄いんだよね。
最大のケツ割れポイントはここだった。
右端の白波が立ってる辺り。ガツンガツンきた。
「もっと安全に、岸を歩くべきところは歩かなきゃダメだ。ドラクエでいうと『いのちだいじに』で。」
「え、『ガンガンいこうぜ』じゃないんですか。」
「いかねぇわ。ケツ痛ぇわ。笑」
そんなわけで、ちょっと歩いたりもしていたのだが、
途中で水中から固そうな枝がいっぱい出ているポイントに遭遇した。
「あの枝だけは避けたいな。乗ったらすぐに漕いで避けよう。」
しかし、流れが思ったよりも早くて、漕ぐのが追いつかなかった。
その結果、グサグサと突き刺さる枝。
ゴムボートの底に3ヶ所も穴が開いて浸水してしまった。
「うわぁ!穴が!」
「あぁ…もうダメか…。」
「もうちょいで俺の脚に刺さるところでしたよ。笑」
「うーむ…。(それより先に進めるかどうかを心配してる)」
赤井が足で押さえながら、たまに水を外に流したりもして、
なんとかダマシダマシ進んでいくことにした。
出発が13:00、ボートに穴が開いたのが16:30だった。
完全にアウトになるまでは進むしかない。
正直、このボートは底の部分に空気が入っていようといなかろうと、あまり関係無い。
中に水が溜まろうと、少し重くなる程度でどうということはなかった。
メインになる周りの浮き輪部分が生きていれば助かるのだ。
ホントに丈夫で素晴らしいボートだった。
外周部は穴を開けようとしても、なかなか開かないくらいだ。
そろそろ日も暮れそうだが、なんとか目的地に到着しそうだ。
しかし、こんな風に川幅が広いと全体的に浅くなってしまうので非常に困る。
そこそこの深さがあれば、岩はなんとかやり過ごせるのだが、
全体的に浅くとにっちもさっちもいかなくてイヤになる。
カミナリ注意報が出ていたらしいが、なんとか天気も崩れずにもってくれた。
曇り空のおかげで日焼けもしなくて済んだ。(一応、ラッシュガードは着ていたが)
出発したのが13:00。
ボートに穴が開いたのが16:30。
ゴールは19:00。
実に6時間にも及ぶ長旅になってしまった。
オールを漕ぎ続けて腕の筋肉を使うだけでなく、ボートの上でバランスを取るために腰の筋肉も使う。
さらにケツを打ち過ぎてズキズキするし、気付かないうちに指の切り傷が2か所。赤井はスネに切り傷。
思っていた以上にハードな旅になってしまった。
次回はもうちょっと対策をしなければ。
【次回に向けてのまとめ】
ゴムボートの底を補強して、もうちょっと浮力を付けようと思う。
大きいプチプチシートとアルミレジャーシートを巻きつければいいかもしれない。
防水テープも必要だ。絶対に必要だ。
ケータイは防水の機種にすべきだと思った。
もしくは、ちゃんとした防水ケースを買うべきかもしれない。
今回は水に浸からず平気だったが、衝撃で壊れることも考えられる。
今回は無事だったが、やっぱり救命胴衣はあった方が良かったかもしれない。
ホントにヤバそうなシーンは1度だけだったけど、あるとないとでは安心感も違ったと思う。
簡易ヘルメットもあった方がいいかもしれない。
落下した時に岩に頭を打たなかったのは運が良かっただけかもしれない。
俺はアクアシューズを履いていたが、アクアシューズでも川底の石は痛い。
もうちょっと頑丈なシューズの方が良かったかもしれない。
アウトドア用品店で今度探してみよう。
ボートを急に下りた時に左足の筋を痛めてしまったらしく、
1日経った今、歩いているとアキレス健の少し上の辺りがズキズキする。
歩かなければどうということはないので、しばらく安静にして様子を見ようと思う。
出発する時に軽い柔軟体操はしたけど、足りなかったのかもしれない。
次回は気をつけねば。
:解説:
赤井と多摩川をゴムボートで下る旅。
「ラフティングしたくないですか?」
「あんなもんに1万円近くも払うなんてくだらん。自分でゴムボート買って下った方がいい。」
そんな他愛もない会話を実行に移してしまった。
今回のスタート地点はここである。
地図で言うと、ココ。
大きな地図で見る
ここに下ってくるところは近くに美術館があって、その有料駐車場になっているところだった。
有料駐車場の入り口には入らず、川の方に行く途中で荷物を下ろしていたら、
駐車場の管理をしているジジイがいきなりトップギアで絡んできた。
「ここは荷物の積み下ろしはダメですよ!完全に個人ですから!」
どうやら、私有地ってことを言いたいらしい。
ここでダブルアクションポンプで空気を入れて、車で持ち帰ってもらおうと思ったのだが、
さすがにそれは諦めて備え付けのポンプだけでなんとかすることにした。
手間取っていると、またジジイがうるさそうだ。
「んじゃ、これだけでいいや。」
最低限の荷物を持って、いざ川へ。
ドンキホーテで購入したゴムボート1980円。
後にわかるのだが、このボートを選んだのは正解だった。
さすが、アウトドア好きのアメリカ人が作っただけある。(訴訟大国アメリカINTEX社の製品)
ケータイなんかはジップロックを2重にして入れておく。
それでも水没したら、それはそれ。
備え付けの小さいポンプで空気を入れていると、かなり時間がかかった。
10分ぐらいはずっと空気入れをしていたと思う。
坂を下ってくる手前で空気を入れて、担ぎながら歩いて下りてきた方が良かったかもしれない。
そうすれば、ジジイに文句を言われてイラッとすることもなかった。(ジジイの血圧も上がらなかった)
「ダブルアクションポンプなら、引いても押しても空気が入るのに…。」
「あのジジイ、やたらと絡んできましたね。笑」
「来世会ったらブチ殺してやる。笑」
そんな会話をしていると、上流の方からカヌーで下ってくる人たちを発見した。
スイースイーと自在に動いている。
「あれは動きが速くていいナァ。」
俺らが眺めていると、軽く会釈をされた。
応じて会釈をすると、ゴムボートを指された。
「それで下るの?」
「はい。」
「どこまで行くの?」
「河辺(8駅先)ぐらいまで行こうと思います。」
「えぇっ?そんなに行くの!?」
驚かれてしまった。
駅の感覚は短いから、そこまで大変な旅にはならないと思うんだが。
そんなに危険なポイントが多いんだろうか。
「そこって岩がいっぱいあるんですか?」
見える範囲を指すと、岩のあるポイントを教えてくれた。
「そこは行けるんだけど、その次は流れの真ん中に岩があるから危ないね。」
「なるほど。」
「そこは歩いてパスした方がいいかもしれない。」
「わかりました。ありがとうございます。」
そんなこんなで、いざ出発。
赤井に指示しながら進むが、指示した通りに漕がないというアクシデント発生。
「漕げって!」
「いや、突っ込んだ方が面白いです。笑」
「面白くねぇ!死ぬぞ!早く漕げ!あっ、もう間に合わない!笑」
ザパーン
流れに呑まれたけど、そこはなんとかなった。
転覆しなかったのが割と奇跡なくらいに大揺れだった。
「一旦、そこの岸辺に付けるぞ…。」
そして、ちゃんとルート決めをしないと流れに呑まれて非常に危険だということを説明。
「ちゃんと漕げよ?」
「はい。笑」
「おい、前フリとかじゃねぇからな。笑」
そうこうしていると、カヌー部隊と再会。
「行かないの?」
「いや、こいつがふざけて漕がないもので。笑」
「あはは。でも、そこはパスした方がいいよ。危ないから。」
「わかりました。」
対岸に渡れば、歩けるポイントがあるとのことなので、そこまで漕ぐことにした。
「…ちゃんと漕げよ?」
「わかりました。」
「ホントかよ。笑」
そこはさすがに激流だったからか、ちゃんと指示通りに漕いで渡った。
だが、その後も赤井は何度も指示を無視したり、指示した方向と反対に漕いだりで、
何度もゴムボートは転覆し、荷物ごと川に放り出されてしまったのだった。
転覆回数は5回。
そのうち3回は赤井が原因だった。
しかし、振り返ってみると、その3回はいずれも大したことはなかった。
せいぜいボートが流され、自分も流されているうちに岩に足を1回打ちつけた程度。
ホントに危険だったのは3回目の転覆だった。
「このぐらいの流れならいけるか。」と下った先がものすごいスピードになっていて、
そのままの勢いで岩に思い切りぶつかって、岩の下に引き込まれる形で転覆。
流れの早さは過去最大級で、逆らうことが一切できなかった。
俺の頭が流されてくるゴムボートと岩にガガガっと挟まれて、
『こりゃマジで死んじゃうんじゃないかな』と思ったくらいだ。
その時にオールから手を放してしまい、オールはその激流の渦に巻き込まれてしまった。
俺たちは命からがらボートにしがみついて岸まで泳ぎ着いた。
「あー、オールがハマってしまった…。」
「…取り行きます?」
「俺、取ってくるわ。ボート見てて。」
「はい。」
仕方なく歩いて取りに行くものの、流れが早すぎて身の危険を感じた。
あんなに流れの早い渦に入ったら出て来れないかもしれない。
疲れて力尽きたら終わりだ。
ボートで行くか?
いや、流れが早すぎて制御できないし、オールが1本ではムリだ。
一度、岸に戻って作戦を練り直そうと思っていると、
オールが渦を逃れて本流に出てきていた。
「あっ!オールが!」
少し下流で待機していた赤井にオールが流されたことを伝えると、赤井にはオールが見えていないようだった。
「どこですか?」
「そこ、そこ!」
俺も急いで岸を歩いて戻って、すぐにボートに乗りこんだ。
次の激流ポイントに入るのが先か、それともオールを手にするのが先か。
ギリギリの攻防だった。
手で必死に掻いて進むと、流れの早いポイントに着く直前でなんとかオールをゲット。
オールの柄で岩を押し、なんとか激突を避けることに成功した。
「ちょっとそこに付けて休むか…。」
「そうしますか。」
岸に付けて一休み。
地図でいうとこの辺。
大きな地図で見る
ここは以前、原チャリで見に来た辺りだ。
川でサーフィンできるポイントがないかなーって思ってきた場所だわ。
2009年9月6日のブログに書いてある。
前もってセブンイレブンで買ってジップロックに入れておいたおにぎりを食べて休憩。
かなり消耗したような気がするが、恐ろしいことにまだ2駅分しか進んでいなかった。
(この時点ではそれに気付いていない)
休憩が終わって出発した時、ちょっと怖れていたポイントにさしかかった。
以前、GoogleMapで見たが、ここは確か『三段堤』というポイントがあるのだ。
堰き止められた堤が三段になっているとのことだった。
実際にどんな風に堰きとめられているかはよくわからないが。
「まぁ、なんとかなるか…。」
「はい。」
そんなこんなで無謀にも挑んでみる。
行ってみると、そこは右端を通れば何とかやり過ごせるようなカンジだった。
他はコンクリートで堰き止められていて白波立っていた。
左カーブだからと、事前に右に寄っておいて良かった。
また少し行くと、大学生くらいの子が4人いて、そのうちの1人がこっちに気付いて手を振ってきた。
「お〜〜〜〜い!」
5mくらいしか離れてないし、手を振るほど遠い距離じゃないんだけど。笑
そこは乗ってあげることにした。
「お〜〜〜〜い!」
すると、その彼が断崖を指さして言った。
「あ!あんなところに自殺志願者がいる!」
振り返ると、ホントに崖の上に人がいた。
え?飛びこむの?
大丈夫なの?
あ、ホントに飛んだ!
なかなかのチャレンジャーだった。
そんなに深いのかな、あそこ。
彼らに別れを告げ、俺らは川下りを続けることにした。
流れも緩やかで、なんだかちょっぴりディズニーランドの『カリブの海賊』に乗ってるような気分になってきた。
こんな流れで岩ゴツゴツのところもあるけどね。
流れが早い時に岩がケツにゴンと突き上げてくるのを食らうと、
ホントにオシリが割れるんじゃないかってほど痛い。
「ケツがぁー!」と何度叫んだかわからない。
次回やるならケツパッドなどの対策が必要だと思う。
スノボでシリモチをつくのも痛いけど、これもそれ以上に痛い。
アイスバーンどころか、完全に岩だし。
こういう流れの緩やかなところだと風流でいいんだけどね。
それはそれで刺激も薄いんだよね。
最大のケツ割れポイントはここだった。
右端の白波が立ってる辺り。ガツンガツンきた。
「もっと安全に、岸を歩くべきところは歩かなきゃダメだ。ドラクエでいうと『いのちだいじに』で。」
「え、『ガンガンいこうぜ』じゃないんですか。」
「いかねぇわ。ケツ痛ぇわ。笑」
そんなわけで、ちょっと歩いたりもしていたのだが、
途中で水中から固そうな枝がいっぱい出ているポイントに遭遇した。
「あの枝だけは避けたいな。乗ったらすぐに漕いで避けよう。」
しかし、流れが思ったよりも早くて、漕ぐのが追いつかなかった。
その結果、グサグサと突き刺さる枝。
ゴムボートの底に3ヶ所も穴が開いて浸水してしまった。
「うわぁ!穴が!」
「あぁ…もうダメか…。」
「もうちょいで俺の脚に刺さるところでしたよ。笑」
「うーむ…。(それより先に進めるかどうかを心配してる)」
赤井が足で押さえながら、たまに水を外に流したりもして、
なんとかダマシダマシ進んでいくことにした。
出発が13:00、ボートに穴が開いたのが16:30だった。
完全にアウトになるまでは進むしかない。
正直、このボートは底の部分に空気が入っていようといなかろうと、あまり関係無い。
中に水が溜まろうと、少し重くなる程度でどうということはなかった。
メインになる周りの浮き輪部分が生きていれば助かるのだ。
ホントに丈夫で素晴らしいボートだった。
外周部は穴を開けようとしても、なかなか開かないくらいだ。
そろそろ日も暮れそうだが、なんとか目的地に到着しそうだ。
しかし、こんな風に川幅が広いと全体的に浅くなってしまうので非常に困る。
そこそこの深さがあれば、岩はなんとかやり過ごせるのだが、
全体的に浅くとにっちもさっちもいかなくてイヤになる。
カミナリ注意報が出ていたらしいが、なんとか天気も崩れずにもってくれた。
曇り空のおかげで日焼けもしなくて済んだ。(一応、ラッシュガードは着ていたが)
出発したのが13:00。
ボートに穴が開いたのが16:30。
ゴールは19:00。
実に6時間にも及ぶ長旅になってしまった。
オールを漕ぎ続けて腕の筋肉を使うだけでなく、ボートの上でバランスを取るために腰の筋肉も使う。
さらにケツを打ち過ぎてズキズキするし、気付かないうちに指の切り傷が2か所。赤井はスネに切り傷。
思っていた以上にハードな旅になってしまった。
次回はもうちょっと対策をしなければ。
【次回に向けてのまとめ】
ゴムボートの底を補強して、もうちょっと浮力を付けようと思う。
大きいプチプチシートとアルミレジャーシートを巻きつければいいかもしれない。
防水テープも必要だ。絶対に必要だ。
ケータイは防水の機種にすべきだと思った。
もしくは、ちゃんとした防水ケースを買うべきかもしれない。
今回は水に浸からず平気だったが、衝撃で壊れることも考えられる。
今回は無事だったが、やっぱり救命胴衣はあった方が良かったかもしれない。
ホントにヤバそうなシーンは1度だけだったけど、あるとないとでは安心感も違ったと思う。
簡易ヘルメットもあった方がいいかもしれない。
落下した時に岩に頭を打たなかったのは運が良かっただけかもしれない。
俺はアクアシューズを履いていたが、アクアシューズでも川底の石は痛い。
もうちょっと頑丈なシューズの方が良かったかもしれない。
アウトドア用品店で今度探してみよう。
ボートを急に下りた時に左足の筋を痛めてしまったらしく、
1日経った今、歩いているとアキレス健の少し上の辺りがズキズキする。
歩かなければどうということはないので、しばらく安静にして様子を見ようと思う。
出発する時に軽い柔軟体操はしたけど、足りなかったのかもしれない。
次回は気をつけねば。